○新発田地域広域事務組合立入検査規程
平成15年9月30日
消本訓令第9号
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第4条及び第16条の5並びに石油コンビナート等災害防止法(昭和50年法律第84号。以下「石災法」という。)第40条の規定に基づく立入検査並びにこれらに伴う指導又は取締りについて必要な事項を定めるものとする。
(用語の意義)
第2条 この規程の用語は、次の各号に定めるところによる。
(1) 査察 法及び石災法の規定に基づき消防対象物に立ち入り、その位置、構造、設備及び管理の状況について検査及び質問を行い、火災予防上の欠陥事項について関係者(査察対象物の所有者、管理者又は占有者をいう。以下同じ。)に指摘し、自主的な是正を促す作用をいう。
(2) 違反処理 警告、行政措置、告発等によつて、違反の是正若しくは予防又は出火危険、延焼拡大危険若しくは火災に係る人命危険(以下「火災危険」という。)の排除を図るための行政上の措置をいう。
(3) 査察対象物 別表に定める対象物等をいう。
(査察の種類)
第3条 査察の種類は、次の各号のとおりとする。
(1) 通常査察 査察対象物について行う通常の査察
(2) 特別査察 消防長又は消防署長が特にその必要を認めたとき行う査察
(査察の執行方針及び計画)
第4条 消防長は、査察を適正かつ効果的に実施するための方針(以下「執行方針」という。)を定めるものとする。
2 消防署長は、執行方針に基づき、立入検査実施計画を策定するものとする。
3 消防署長は、立入検査実施計画に基づく査察の執行状況について、定期に消防長に報告しなければならない。
4 消防長は、査察に関して必要な指示をするとともに、適宜、執行方針及び査察の執行体制の見直しを行うものとする。
(改善指導及び行政措置)
第5条 消防長又は消防署長は、査察によつて発見した法令違反その他不備欠陥事項(以下「不備欠陥事項等」という。)に係る改善指導にあたつては、当該内容を関係者に対して直接具体的に指摘するとともに、十分な指導を行い、関係者の理解と認識によつて自主的な履行がなされるよう努めるものとする。
2 行政指導によつては、関係者の自主的な履行による安全確保が期待できないと判断する場合は、行政措置を講ずるものとする。
3 消防長又は消防署長は、違反事案で必要があると認めた場合は、違反処理を行うものとする。
(消防長又は消防署長の責務)
第6条 消防長又は消防署長は、査察と行政責任との関わり合いを十分認識し、住民の動向等を洞察し、常に社会情勢に対応するよう努めなければならない。
2 消防長又は消防署長は、常に管内の査察対象物の実態及び管内動向の情報を収集、把握するとともに、適正な行政措置を講じて火災危険の排除に努めなければならない。
3 消防長又は消防署長は、別に定める違反処理基準上の措置に該当する事案については、違反処理経過簿等により、違反処理への移行時期、上位措置への移行等、違反処理業務の進行管理に努めなければならない。
(情報管理)
第7条 消防長は、各消防署の査察業務状況等に関する情報を把握し、必要により各消防署長に対し周知するものとする。
2 消防長又は消防署長は、査察業務に係る情報を整理するとともに、機密の保持に十分配慮するものとする。
3 消防長又は消防署長は、査察等により得た情報を適正に管理し、消防活動等、消防行政に広くその活用が図られるよう努めなければならない。
(関係行政機関との連携)
第8条 消防長又は消防署長は、査察において他法令の防火に関する違反を覚知した場合は、遅滞なく当該違反を主管行政庁に通知し、是正促進を要請するとともに、十分な連携を図り、その改善に努めるものとする。
(査察対象物関係の資料整備等)
第9条 消防長又は消防署長は、査察対象物に関する資料について、次の各号に定めるところにより整備しておかなければならない。
(1) 査察対象物に関する資料は、事業所の同一敷地ごとに検査・査察業務等経過表及び査察業務に関する図書等を防火対象物関係資料綴に一括編さんしておくものとする。ただし、事務処理上その他の理由によりやむを得ないときは、分冊することができる。
(2) 消防長又は消防署長は、前号に規定する資料については、別に定める防火対象物関係資料綴の区分により区分し、査察業務のほか、消防活動等の面においても活用できるよう配慮するものとする。
(通常査察の省略)
第10条 消防長又は消防署長は、特別査察を実施したときは、通常査察を省略することができる。
(査察の実施)
第11条 消防長又は消防署長は、火災予防の目的を達成するため、査察対象物の用途、収容人員及び管理状況等から火災危険を判断し、行政上必要と認めた査察対象物に対し、適切に査察を実施し、積極的に安全の確保を図らなければならない。
2 査察は、当該査察対象物を管轄する消防署長が実施する。
3 消防署長は、査察の実施にあたり、消防長に査察員の派遣を要請することができる。
4 消防長は、必要があると認めるときは、前項に規定する要請に基づく査察員の派遣及びその他の支援をするものとする。
(査察員の責務)
第12条 査察員は、常に関係法令及び必要な知識、技術を習得し、適正な業務の推進を図るとともに、行政に対する信頼を高めるよう努めなければならない。
(査察の要領)
第13条 査察は、法令義務の履行状況の確認等自主管理の実効性に着目して実施するものでなければならない。
2 査察にあたつては、消防計画又は予防規程及び自主検査結果記録等に基づき、査察対象物の関係者が行つた自主管理状況の記録等を確認するものとする。
3 検査箇所は、出火危険及び人命危険に着目し、査察対象物の実態に応じて行うものとする。
4 消防用設備・防火避難施設等の検査にあたつては、火災発生時を想定し、有効に活用しうるか否かを確認するよう努めなければならない。
5 検査内容に不備欠陥事項等があると認めたときは、関係者等(関係者及び当該査察対象物の管理等に関係のある者をいう。次条において同じ。)に指導を行うものとする。
6 査察は、消防活動面に十分配慮して行うものとする。
(査察時の留意事項)
第14条 査察にあたつては、次の各号に留意するものとする。
(1) 服装は、特に指示ある場合のほか制服又は活動服とする。
(2) 態度は厳正にして、言語、動作に注意し、関係者等に不快の念をいだかせないようにすること。
(3) 査察にあたつては、防火管理者、危険物保安監督者、危険物施設保安員、特定事業者その他責任のある者の立会いを求めること。
(4) 査察の結果、改善を必要とするものについては、関係者等にその法的根拠を明らかにし、懇切に指導すること。
(5) 正当な理由がなく立入り若しくは検査を拒み、妨げ、又は忌避する者がある場合は、査察の要旨を十分説明し、なお応じないときは、関係者等の忌避等の理由を確認して、査察を中止し、その旨を消防長又は消防署長に報告して指示を受けること。
(6) 関係者等の民事上の紛争に関与しないこと。
(査察結果の処理)
第15条 査察員は、査察終了後その結果を台帳に記載し、消防長又は消防署長に報告するものとする。ただし、緊急を要するもの又は重要な特異の事案については、その都度消防長又は消防署長に報告し、指示を受けるものとする。
(関係者に対する査察結果の通知)
第16条 査察員は、査察の結果を査察対象物の関係者に対して、次により通知するものとする。
(1) 不備欠陥事項等が認められる場合は、別記第1号様式に定める立入検査結果通知書により通知する。
(2) 不備欠陥事項等が認められない場合は、別記第1号様式の2に定める立入検査結果通知書により通知する。
(1) 改修に一定期間を有するものについては、具体的な改修期間
(2) 改修が完了したものについては、改修完了年月日
3 報告書が前項に定める期限内に提出されない場合は、提出するよう指導するとともに、時機を失することなく違反処理に移行するものとする。
4 改修(計画)日が、火災予防上妥当と認められない場合には、履行義務者に対し、必要な指導を行うものとする。
(違反事案の処理)
第18条 消防長又は消防署長は、第5条及び前条に基づき違反処理を行う場合は、新発田地域広域事務組合火災予防違反処理規程(平成15年新発田地域広域事務組合消防本部訓令第10号)に基づき処理するものとする。
(不備欠陥事項等の確認、調査等)
第19条 消防長又は消防署長は、査察により指摘した不備欠陥事項等については、査察員に違反是正の進行管理を行わせるとともに、その是正状況について確認又は調査させ必要な措置を講ずるものとする。
(資料提出)
第20条 法第4条の規定による資料(査察対象物の実態を把握するため必要な既存の文書その他の物件をいう。以下同じ。)は、関係者に対し、任意の提出を求めるものとする。ただし、これにより難い場合は、別記第3号様式に定める資料提出命令書により、消防長又は消防署長が行うものとする。
2 資料提出命令書は、原則として当該関係者に直接交付し、別記第3号様式の2に定める受領書に署名を求めておくものとする。ただし、受領拒否等の事由により直接交付できない場合は、配達証明又は内容証明により送付するものとする。
4 資料の提出授受については、資料提出処理簿(別記第5号様式)に記載するものとする。
(報告徴収)
第21条 前条の規定による資料以外のもので火災予防上必要と認められる事項については、関係者に対し、任意の報告を求めるものとする。
(台帳)
第22条 消防本部及び消防署には、それぞれ所管する次の簿冊を備え、査察員が検査時に携行するものとする。
(1) 防火対象物台帳 別記第6号様式
(2) 危険物製造所等査察台帳 別記第7号様式
(実施細目)
第23条 消防長は、この規程の施行について必要な事項を別に定めることができる。
附則
(施行期日)
1 この規程は、平成15年10月1日から施行する。
(新発田地域広域事務組合火災予防査察規程の廃止)
2 新発田地域広域事務組合火災予防査察規程(昭和55年新発田地域広域事務組合消本訓令第1号)は、廃止する。
附則(平成22年消本訓令第2号)
この規程は、平成22年4月1日から実施する。
附則(平成27年消本訓令第1号)
この規程は、平成27年7月1日から実施する。
附則(平成28年消本訓令第1号)
この規程は、平成28年4月1日から実施する。
附則(令和2年消本訓令第2号)
この規程は、令和2年4月1日から実施した。
別表(第2条関係)
査察対象物
1 | 防火対象物 | 消防法施行令(昭和36年政令第37号)別表第1に掲げる防火対象物 |
2 | 危険物製造所等 | 法第10条に規定する危険物の製造所、貯蔵所及び取扱所並びに法第16条の5に規定する貯蔵所等 |
3 | 少量危険物貯蔵取扱所 | 法第9条の4に規定する指定数量未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱つている全ての場所 |
4 | 指定可燃物貯蔵取扱所 | 法第9条の4に規定する指定可燃物(指定可燃物に類する物品を含む。)を貯蔵し、又は取り扱つている全ての場所 |
5 | 特定事業所 | 石災法第2条第6号に規定する特定事業所 |
