○新発田地域広域事務組合消防本部民間による患者等搬送事業に対する指導及び認定に関する要綱
平成19年7月20日
告示第7号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 指導基準(第3条―第15条)
第3章 乗務員の講習(第16条―第21条)
第4章 認定等(第22条―第34条)
第5章 その他(第35条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この要綱は、新発田地域広域管内の民間による患者等の搬送事業者に対し、必要な指導を行うとともに一定の基準に適合する患者等の搬送事業者の認定を行うことにより、患者等の生命及び身体の安全を図ることを目的とする。
(1) 患者等 健常者以外の者並びに車椅子又は寝台を必要とする身体障害者及び寝たきり老人をいう。
(2) 患者等搬送事業 患者等を搬送するため必要な特別の構造又は設備を備えた自動車(以下「患者等搬送用自動車」という。)を使用し、患者等を搬送する業務をいう。
(3) 患者等搬送事業者 患者等搬送事業を行う事業所の経営者又は管理責任者をいう。
(4) 乗務員 患者等搬送用自動車に乗務し、当該業務に従事する者をいう。
第2章 指導基準
(指導)
第3条 消防署長(以下「署長」という。)は、管轄区域内の患者等搬送事業者に対し、本章に定める指導基準に基づいて必要な指導を行うものとする。
(患者等搬送事業の制限)
第4条 患者等搬送事業の制限については、次に掲げるところによる。
(1) 生命に危険があり、又は症状が悪化すると認められ、緊急に医療機関その他の場所に搬送しなければならない患者等は、搬送の対象としないこと。
(2) 患者等搬送事業所、患者等搬送用自動車、パンフレットその他これに類するものに緊急の業務を行つていると、地域住民に誤解を与えるような表示はしないこと。
(3) 患者等搬送用自動車は、サイレン及び赤色灯の装備をするなど、救急自動車と紛らわしい外観を呈していないこと。
(応急手当)
第5条 患者等の搬送業務は、症状の悪化防止に万全の配慮をし、搬送途上において症状が悪化し緊急やむを得ない場合は、必要最小限度の応急手当を実施するものとする。
(1) 患者等の搬送依頼時の依頼内容、症状の聴取結果から緊急に医療機関へ搬送する必要がある場合
(2) 患者等の搬送依頼があつた場所に到着したとき、緊急に医療機関へ搬送する必要がある場合
(3) 患者等の搬送途上において、症状が悪化し、緊急に医療機関へ搬送する必要がある場合
(乗務員の要件)
第7条 乗務員は、満18歳以上の者で、次の各号のいずれかに該当する者とする。
(2) 別記1の2に掲げる者で前号の者と同等以上の知識及び技術を有する者として、消防長が認め、適任証の交付を受けた者(以下「特例認定者」という。)
2 患者等搬送用自動車のうち車椅子のみを固定できるもの(以下「患者等搬送用自動車(車椅子専用)」という。)にのみ乗務し、搬送業務に従事する乗務員(以下「乗務員(車椅子専用)」という。)は、満18歳以上の者で、次の各号のいずれかに該当する者とする。
(2) 別記1の2に掲げる者で前号の者と同等以上の知識及び技能を有する者として、消防長が認め、適任証(車椅子専用)の交付を受けた者(以下「特例認定者(車椅子専用)」という。)
3 適任証及び適任証(車椅子専用)(以下「適任証類」という。)の有効期間は、交付の日から2年間とする。ただし、第16条に規定する患者等搬送乗務員再講習を受けた者については更に2年間有効とし、それ以降も同様とする。
(適任証類の携帯)
第8条 乗務員は、搬送業務に従事するときは、適任証類を携帯するものとする。
(運行体制)
第9条 患者等搬送事業者は、患者等搬送用自動車1台につき2名以上の乗務員をもつて業務を行わせるものとする。退院等を目的とした運行をする場合又は医師、看護師等が同乗する場合は、乗務員を1名とすることができる。
2 患者等搬送事業者のうち、患者搬送用自動車(車椅子専用)を用いて搬送を実施する事業を行う者(以下「患者等搬送事業者(車椅子専用)」という。)は、患者等搬送用自動車(車椅子専用)1台につき1名以上の乗務員をもつて業務を行わせるものとする。ただし、搬送中に容態急変の可能性が高い場合等については、医師等を同乗させる又は乗務員数を2名以上とする等対応に必要な体制を確保するものとする。
(知識及び技術の維持向上)
第10条 患者等搬送事業者は、乗務員に患者等の安全搬送に関する知識及び技術の向上に努めさせるものとする。
2 患者等搬送事業者は、乗務員に対して2年に1回以上、第16条に規定する患者等搬送乗務員再講習を受講させるものとする。
(患者等搬送用自動車の要件)
第11条 患者等搬送用自動車は、次に掲げる構造及び設備を有するものとする。
(1) 十分な緩衝装置を有するものであること。
(2) 換気及び冷暖房の装置を有するものであること。
(3) 乗務員が業務を実施するために必要なスペースを有するものであること。
(4) ストレッチャー、車椅子等を使用したまま、車体に確実に固定できる構造であること。ただし患者等搬送用自動車(車椅子専用)については、車椅子のみ固定できる構造であること。
(5) 車椅子の乗降を容易にするための装置を備えていること。
(6) 自動車電話又は無線機等、通信連絡に必要な装備を有していること。
(患者等搬送用自動車の表示)
第12条 患者等搬送用自動車の車体には、患者等搬送用自動車である旨の表示を別記2により行うものとする。
(積載資器材の種別)
第13条 患者等搬送用自動車には、別記3、患者等搬送用自動車(車椅子専用)には別記3の2に掲げる資器材を積載することとする。
(消毒の実施要領)
第14条 患者等搬送用自動車及び積載資器材の消毒は、次に掲げるところにより行うものとする。
(1) 定期消毒 毎月1回以上
(2) 使用後消毒 毎使用後
(3) 医師から消毒について特別な指示があつた場合は、指示に基づいて消毒を行うこと。
(衛生・安全管理)
第15条 衛生・安全管理については、次に掲げるところにより行うものとする。
(1) 乗務員は、患者等搬送事業にふさわしい服装とし、常に清潔の保持に努めること。
(2) 患者等搬送用自動車及び積載資器材等の点検整備は、確実に行うこと。
(3) 患者等の搬送に当たつては、患者及び同乗者に対し安全ベルトを着装させる等、安全搬送のための措置を講ずること。
第3章 乗務員の講習
(講習の実施)
第16条 消防長は、乗務員に対し、搬送業務に必要な知識及び技術を習得させるため、患者等搬送乗務員基礎講習、患者等搬送乗務員(車椅子専用)基礎講習及び患者等搬送乗務員再講習を実施するものとする。
(講習の計画)
第17条 消防長は、前条に規定する講習の実施計画を樹立するものとする。
(講習の実施基準等)
第18条 第16条に規定する講習の実施基準等については、別記4によるものとする。
(講習実施の通知)
第19条 消防長は、第16条に規定する講習の実施に当たつては、実施日時、実施場所、その他講習の実施に関する必要な事項を患者等搬送事業者に通知するものとする。
(講習等に関する事務手続)
第20条 講習に関する事務処理、修了証及び適任証類の交付又は再交付並びに特例認定者への適任証類の交付手続きは、別記5によるものとする。
(講習の委託)
第21条 消防長は、第16条に規定する講習の全部又は一部を他の団体に委託することができるものとする。
第4章 認定等
(認定)
第22条 消防長は、第2章に定める指導基準に適合する患者等搬送事業者に対し、患者等搬送事業の認定(以下「認定」という。)をするものとする。
(認定対象の事業者)
第23条 認定の対象となる患者等搬送事業者は、道路運送法(昭和26年法律第183号)に定める次に掲げる者をいう。
(1) 一般乗用旅客自動車運送事業の許可を受けた者
(2) 一般貸切旅客自動車運送事業の許可を受けた者
(3) 特定旅客自動車運送事業の許可を受けた者
(4) 自家用有償旅客運送の登録を受けた者
(認定申請の調査等)
第25条 消防長は、前条の申請を受理したときは、認定に係る調査を署長に行わせるものとする。
4 消防長は、認定証等及び認定証(車椅子専用)等(以下「認定証類」という。)を交付したときは、認定事業者台帳(別記第24号様式)を作成するものとする。
5 消防長は、第1項の規定に基づく審査結果を、所轄の署長に通知するものとする。
6 消防長は、審査の結果、認定しない場合は、その理由を付して患者等搬送事業者に通知するものとする。
(認定証類の有効期間)
第27条 認定証類の有効期間は、認定を受けた日の翌日から起算して5年間とする。
(認定証類の更新)
第28条 消防長は、認定証類の更新を受けようとする認定事業者及び認定事業者(車椅子専用)(以下「認定事業者等」という。)に対し、認定の期間が満了する日の1箇月前から満了する日までの間に更新の申請を行わせるものとする。
(認定証類の再交付)
第29条 消防長は、認定事業者等が認定証類を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損したときは、患者等搬送事業認定証等再交付申請書(別記第25号様式)により認定証類の再交付申請を行わせるものとする。
2 消防長は、前項の申請書を受理したときは、認定証類を申請者に交付するものとする。
3 消防長は、認定証類を再交付したときは、その旨を所轄の署長に通知するものとする。
(1) 患者等搬送事業認定(更新)申請書の内容を変更したとき。
(2) 患者等搬送事業の全部若しくは一部を休止し、又は廃止したとき。
2 消防長は、前項の届出書を受理したときは、当該変更内容を所轄の署長に通知するものとする。
(認定の取消し等)
第31条 消防長は、認定事業者等が次の各号一つに該当するときは、認定を取り消すことができるものとする。
(1) 第2章に定める指導基準を遵守しないとき。
(2) 業務の遂行に当たつて、重大な事故を発生させたとき。
(3) その他認定を継続することが、不適当と判断されるとき。
3 消防長は、前項の報告を受けたときは、取消しの可否を決定し、その結果を所轄の署長に通知するものとする。
(認定の失効等)
第32条 認定は、次の各号の一つに該当するときは、その効力を失うものとする。
(1) 第23条に規定する認定の対象事業者でなくなつたとき。
(2) 患者等搬送事業を廃止したとき。
(3) 認定の更新申請をせず、認定証類の有効期間が満了したとき。
(認定事業者等への指導等)
第33条 署長は、年1回以上認定事業者等に対し、第2章に定める指導基準の履行状況について調査するものとする。
2 署長は、前項の規定による調査結果から、不適事項が認められたときは、指導基準に適合するよう指導するものとする。
(1) 患者等搬送業務中患者等が死亡又は負傷したとき。
(2) 患者等搬送業務中患者等搬送用自動車が交通事故等により業務に支障が生じたとき。
(3) その他患者等搬送事業に支障を及ぼす重大な事故を発生させたとき。
2 消防長は、認定事業者等に対し、次に掲げる事項について、患者等搬送状況報告書(別記第31号様式)により当月の状況を、翌月の15日までに報告を行わせるものとする。
(1) 第6条各号に該当する件数
(2) 医師、看護師等が同乗した件数
(3) 法定伝染病等の感染症の患者等を搬送した件数
(4) 前項各号に該当する件数
第5章 その他
第35条 この要綱の実施に関し必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
(施行期日)
この要綱は、平成19年7月20日から実施する。
附則(平成25年告示第2号)
この要綱は、平成25年4月1日から実施する。
附則(令和3年告示第6号)
この要綱は、令和3年4月1日から実施した。
別記1(第7条関係)
患者等搬送乗務員基礎講習
消防機関の行う講習[乗務員]
課目 | 時間数 |
総論 | 1 |
観察要領及び応急措置 (一定頻度者が受講する講習と同等の内容を含む) | 13 |
体位管理要領 | 2 |
消防機関との連携要領 | 2 |
車両資器材の消毒及び感染防止要領 | 2 |
搬送法 | 2 |
修了考査 | 2 |
合計 | 24 |
* 課目の1時間は、45分とする。
* 上記に掲げる講習の講師は、次のいずれかに該当する者をもつて充てるものとする。
① 救急隊長として3年以上の実務経験を有する者で、消防長が適任と認めた者
② 消防大学校の救急科課程の修了者で、消防長が適任と認めた者
③ 消防学校の救急科課程の教官として2年以上の経験を有する者で、消防長が適任と認めた者
別記1の2(第7条関係)
患者等搬送乗務員基礎講習を修了した者と同等以上の知識及び技能を有する者
次表のとおり
分類 | |
1 | 救急救命士の資格を有する者及び消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第51条に定める救急業務に関する講習課程を修了した者 |
2 | 日本赤十字社の行う応急処置に関する講習を受けた者で、資格の有効期間内の者。 ただし、消防機関の行う適任者講習に不足する課目については、消防機関の行う講習を受講すること。 |
3 | 上記、1及び2に掲げる者以上の知識及び技能を有すると消防長が認めた者 |
別記1の3(第7条関係)
患者等搬送乗務員(車椅子専用)基礎講習
消防機関の行う講習[乗務員(車椅子専用)]
課目 | 時間数 |
総論 | 1 |
観察要領及び応急措置 (一定頻度者が受講する講習と同等の内容を含む) | 9 |
体位管理要領 | 1 |
消防機関との連携要領 | 2 |
車両資器材の消毒及び感染防止要領 | 1 |
搬送法 | 1 |
修了考査 | 1 |
合計 | 16 |
* 課目の1時間は、45分とする。
* 上記に掲げる講習の講師は、次のいずれかに該当する者をもって充てるものとする。
① 救急隊長として3年以上の実務経験を有する者で、消防長が適任と認めた者
② 消防大学校の救急科課程の修了者で、消防長が適任と認めた者
③ 消防学校の救急科課程の教官として2年以上の経験を有する者で、消防長が適任と認めた者。
別記2(第12条関係)
患者等搬送用自動車の表示方法
1 文字は、ペンキによる横書きとし、自動車の両側面及び後面に行うこと。
2 「民間患者等搬送車」の文字の大きさは、縦横50ミリメートル以上とする。ただし、国土交通省で定める患者等輸送車における表示がある場合は、この限りでない。
3 患者等搬送用自動車認定マークは、自動車後面の見やすい位置とする。
別記3(第13条関係)
患者等搬送用自動車に積載する資器材
分類 | 品名 |
呼吸管理資器材 | バッグバルブマスク ポケットマスク |
創傷等保護用資器材 | 三角布 包帯 ガーゼ ばんそうこう タオル |
保温・搬送用資器材 | 担架 まくら 敷物 保温用毛布 |
消毒用資器材 | 噴霧消毒器 各種消毒薬 |
その他の資器材 | はさみ ピンセット 手袋 マスク 膿盆 汚物入れ 体温計等 ※AED |
「※」は任意の積載とする。
別記3の2(第13条関係)
患者等搬送用自動車(車椅子専用)に積載する資器材
項目 | 資器材名 |
呼吸管理用資器材 | ※バッグバルブマスク ポケットマスク |
保温・搬送用資器材 | ※敷物 保温用毛布 担架 ※まくら |
創傷等保護用資器材 | 三角巾 ガーゼ 包帯 タオル ばんそうこう |
消毒用資器材(車両・資器材用) | 噴霧消毒器 各種消毒薬 |
その他の資器材 | はさみ マスク ※ピンセット 手袋 膿盆汚物入れ 体温計 ※AED |
「※」は任意の積載とする。
別記4(第18条関係)
講習の実施基準等
種別 項目 | 患者等搬送乗務員基礎講習 患者等搬送乗務員(車椅子専用)基礎講習 | 患者等搬送乗務員再講習 |
実施者 | 消防長 | 消防長 |
実施回数 | 年1回以上 | 年1回以上 |
講習内容 | ア 患者等の観察に関すること。 イ 応急処置に関すること。 ウ 搬送法及び患者等管理に関すること。 エ 感染防止に関すること。 オ 消防機関との連携に関すること。 オ 消防機関との連携に関すること。 | ア 患者等の観察に関すること。 イ 応急処置に関すること。 ウ 搬送法及び患者等管理に関すること。 |
講習時間 | 24時間 (車椅子専用については16時間) | 3時間 |
講師及び教材 | 実施者が定める。 | |
消防長は、必要と認める場合は、実施回数、講習内容及び講習時間を変更することができる。 |
別記5(第20条関係)
患者等搬送乗務員基礎講習等の事務手続
1 患者等搬送乗務員基礎講習及び修了証等の交付
事務処理手順 | 処理要領 |
講習の通知 | 消防長は、実施日時及び場所等の必要事項を管内の患者等搬送事業者に通知する。 |
受講の申請 | 受講申請は、講習受講申請書(別記第3号様式)により、消防長宛提出する。 |
受講票の交付 | 消防長は、講習受講申請書を受理したときは、講習受講票(別記第4号様式)を申請者に交付する。 |
講習受講(修了)者の整理 | 消防長は、講習受講申請書に基づき、基礎講習受講(修了)者名簿(別記第5号様式)を整理する。 |
患者等搬送乗務員基礎講習修了証及び適任証の交付 | (1) 消防長は、講習修了後、基礎講習受講(修了)者名簿を整理し、修了証(別記第6号様式)を受講者 (2) 消防長は、適任証を基礎講習修了者に交付する。 |
原票の整理 | 消防長は、乗務員講習修了者等原票(別記第7号様式)を作成し、整理保存する。 |
備考 患者等搬送乗務員(車椅子専用)基礎講習については、名簿等を区別し、これに準じた手続きとする。(以下この別記について同じ)
2 患者等搬送乗務員再講習
事務処理手順 | 処理要領 |
講習の通知 | 消防長は、実施日時及び場所等の必要事項を管内の患者等搬送事業者に通知する。 |
受講の申請 | 受講申請は、講習受講申請書により、消防長宛提出する。 |
受講票の交付 | 消防長は、講習受講申請書を受理したときは、講習受講票を申請者に交付する。 |
講習受講(修了)者の整理 | 消防長は、講習受講申請書に基づき、再講習受講(修了)者名簿(別記第8号様式)に記載し整理する。 |
講習修了の記録 | 消防長は、患者等搬送乗務員再講習を修了した後、乗務員適任証の再講習受講欄に、講習を修了した旨を記載する。 |
原票の整理 | 消防長は、再講習受講(修了)者名簿により乗務員講習修了者等原票を整理する。 |
3 特例認定者への適任証類の交付
4 患者等搬送乗務員基礎講習修了証の再交付
5 患者等搬送乗務員適任証類の再交付