○新発田地域広域事務組合消防本部救急業務規程
平成9年11月11日
消本訓令第13号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 救急隊等(第3条~第6条)
第3章 救急活動等
第1節 救急出場(第7条)
第2節 救急活動(第8条~第12条の2)
第3節 医師への協力要請(第13条・第14条)
第4節 傷病者の搬送(第15条~第21条)
第5節 医療機関への引継ぎ等(第22条・第23条)
第4章 他の機関との連携等(第24条~第28条)
第5章 救急資器材等(第29条~第31条)
第6章 訓練及び普及啓発(第32条・第33条)
第7章 集団救急事故(第34条)
第8章 報告等(第35条~第37条)
第9章 その他(第38条~第40条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、新発田地域広域事務組合消防本部消防業務規則(平成9年新発田地域広域事務組合規則第5号。以下「消防規則」という。)第8条第2項に基づく救急業務の実施に関し、必要な事項を定めるものとする。
(用語の意義)
第2条 この規程における用語の意義は、次の各号に定めるところによる。
(1) 救急業務とは、消防規則第2条第4号に定める業務をいう。
(2) 救急事故とは、救急業務の対象となる事故及び疾病をいう。
(3) 救急自動車とは、救急業務実施基準(昭和39年自消甲教発第6号)第9条に定める救急業務を行う自動車をいう。
第2章 救急隊等
(救急隊の運営)
第3条 消防署長(以下「署長」という。)は、消防長の命を受け所属救急隊を指揮監督するとともに救急業務を掌理するものとする。
(救急隊員)
第4条 救急隊員(以下「隊員」という。)は、救急救命士(救急救命士法(平成3年法律第36号。以下「救命士法」という。)第2条第2項に規定する救急救命士をいう。以下「救命士」という。)及び消防法施行令(昭和36年政令第37号)第44条第5項に該当する者をこれに充てる。
2 隊員のうち1人を救急隊長(以下「隊長」という。)とし、消防士長以上の階級にある者をこれに充てる。
(隊員の責務)
第5条 隊長は、上司の命を受け所属隊員を指揮監督し、傷病者の状態及び救急現場の状況を的確に把握し、救急業務の適切な遂行に務めなければならない。
2 隊員は、隊長を補佐し、適正な救急業務を行わなければならない。
(服装)
第6条 隊員の服装は、新発田地域広域事務組合消防職員の階級並びに訓練礼式及び服制に関する規則(昭和47年新発田地域広域事務組合規則第5号)第6条の規定によるほか、救急業務を実施するにあたつては救急服等を着用し、必要に応じ保安帽及び手袋を着用するものとする。
第3章 救急活動等
第1節 救急出場
(出場の区域)
第7条 救急隊の出場区域は、消防長が別に定めるものとする。ただし、救急事故等の状態及び別に定めた区域で、消防長が必要と認めた場合はこの限りでない。
第2節 救急活動
(活動の原則)
第8条 救急活動は、傷病者の救命を主眼とし、観察並びに必要な応急処置及び救命士法第2条第1項に規定する救急救命処置(以下「特定行為」という。)を行い、速やかに適応医療機関等に搬送するものとする。
2 前項の救急活動に際しては、隊員及び傷病者並びに救急現場付近にある協力者等の安全確保に留意すること。
(観察)
第9条 観察は、傷病者の周囲の状況、救急事故の形態及び傷病者の状態を把握し、応急処置及び特定行為の判断に資するために行うものとする。
2 隊員の資格ごとの観察の内容は、別に定める。
(応急処置)
第10条 応急処置は、傷病者を医療機関に収容するまでの間、又は救急現場に医師が到着するまでの間に、傷病者の状態その他の状況から応急処置を実施しなければ生命が危険であり、又はその症状が悪化するおそれがあると認められる場合に、救急隊員及び准救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号)に定めるところにより行うものとする。
2 隊員の資格ごとの応急処置の内容は、別に定める。
(口頭指導)
第10条の2 消防規則第10条の2の規定による口頭指導は、消防長が別に定める口頭指導に関する実施基準により行うものとする。
(特定行為)
第11条 特定行為は、救命士の資格を有する隊員が救命士法に定めるところにより行うものとし、活動基準は別に定める新発田地域広域事務組合消防本部救急救命士の行う特定行為に関する救急活動基準(平成9年新発田地域広域事務組合消防本部訓令第16号)により行うものとする。
(感染の防止)
第12条 隊員は、救急業務の実施に際して、ウイルス性感染症等及びこれと疑われる傷病者による感染防止を図るため、次の各号に定める事項を遵守し行うものとする。
(1) 傷病者の応急処置に際しては、消毒ゴム手袋及び消毒マスクを着装し、血液、唾液及び汚物(以下「血液等」という。)に直接触れないようにすること。
(2) 血液等が皮膚に付着した場合は、速やかに石けんを用いて流水で洗浄し、手洗い、うがい及び消毒を行うこと。
(3) 使用した救急資器材は、速やかに処分するか、又は流水で洗浄し消毒を行うこと。
(4) 血液等が付着した救急服は、速やかに交換し、洗浄すること。
2 隊員に感染の疑いが生じた場合はこの旨を署長に報告し速やかに医師の診察を受けるものとする。
(感染症と疑われる者の取扱い)
第12条の2 隊長は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)第6条に規定する1類感染症、2類感染症、指定感染症又は新感染症(以下「感染症」という。)と疑われる傷病者を搬送した場合は、隊員及び救急自動車等の汚染に留意し、直ちに所定の消毒を行い、この旨を消防長に報告するとともに、当該傷病者に対する医師の診断結果を確認し、所要の措置を講ずるものとする。
第3節 医師への協力要請
(医師の派遣要請)
第13条 隊長は、傷病者が次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに救急現場へ医師の派遣を要請し、必要な措置を講じられるよう努めるものとする。
(1) 傷病者の状態からみて搬送することが生命に危険であると認められる場合
(2) 傷病者の状態からみて搬送可否の判断が困難な場合
(3) その他救急現場において診療又は診断を必要と認める場合
(医師等の同乗要請)
第14条 隊長は、傷病者の状態から医師等の同乗が必要である場合は、救急自動車に医師等の同乗を要請することができる。
第4節 傷病者の搬送
(医療機関の選定)
第15条 隊長は、傷病者の搬送先医療機関の選定に当たつては、次の各号に留意すること。
(1) 救急現場から最も近く、当該傷病者の症状に適応した医療が速やかに施し得る医療機関を選定すること。
(2) 傷病者又はその家族等からの特定の医療機関へ搬送することを依頼されたときは、傷病者の症状及び救急業務上の支障等を判断し、特に支障のない範囲でその希望する医療機関に搬送することができるものとする。
(複数傷病者の搬送)
第16条 傷病者が複数の場合は、症状が重いと認められる傷病者を優先して搬送するものとする。
(搬送を拒んだ者の取扱い)
第17条 隊長は、傷病者又はその関係者が搬送を拒んだ場合は、これを搬送しないものとする。
2 隊長は、搬送拒否した傷病者又はその関係者から不搬送確認書(別記第1号様式)に署名又は記名押印を得るよう努めるものとする。
(傷病者の搬送制限)
第18条 隊長は、傷病者が次の各号のいずれかに該当する場合は、これを搬送しないものとする。
(1) 傷病者が明らかに死亡している場合又は医師が死亡していると判断した場合
(2) 医師が別表に掲げる搬送制限感染症であると認めた場合。ただし、結核については、この限りでない。
(感染症患者の取扱い)
第19条 隊長は、感染症の疑いのある傷病者を取り扱つたときは、隊員及び救急自動車等について直ちに所定の消毒を行い、この旨を署長に報告するものとする。
2 隊長は、取り扱つた傷病者が医師の診断の結果、感染症患者と判明したときは速やかに医師又は保健所長の指示による消毒を行うとともに、その指示内容について報告書を作成し署長に報告しなければならない。
(転院搬送)
第20条 転院搬送は、医師からの要請により搬送先医療機関が確保されている場合に行うものとする。
2 転院搬送を行うときは、傷病者を診療している医療機関の医師又は看護師等の救急自動車への同乗を求めなければならない。
(関係者の同乗)
第21条 隊長は、救急搬送に際し、必要がある場合は家族等に救急自動車への同乗を求めることができる。
2 隊長は、傷病者の関係者又は警察官が救急自動車の同乗を求めたときは、努めてこれに応ずるものとする。
第5節 医療機関への引継ぎ等
(医療機関への引継ぎ)
第22条 隊長又は救命士は、傷病者を医療機関へ引き継ぐときは、救急隊到着時の観察状況、隊員の行つた応急処置、特定行為及び経過その他必要な事項を医師等に伝えるとともに、引揚げの際は、その旨を当該医師等に伝達するものとする。
(災害救助法における救助との関係)
第23条 救急業務は、災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用する場合においては、同法の規定に基づく救助に協力する関係において実施するものとする。
第4章 他の機関との連携等
(医療機関との連携)
第24条 消防長又は署長は、救急業務の実施について医療機関と常に密接な連携をとるものとする。
(関係団体との連携)
第25条 消防長又は署長は、救急に関する事務を行つている団体等と救急業務の実施について情報を交換し、密接な連携をとるものとする。
(警察官との連携)
第26条 隊長は、犯罪の疑いのある事故又は交通事故等において救急業務を実施する場合は、警察官の協力を求めて当該救急業務を行うとともに、警察官が現場にいない時は、業務に支障のない範囲で現場保存の措置をとり、警察署長に連絡するものとする。
(福祉事務所等への通知)
第27条 署長は、生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条に規定する被保護者又は要保護者と認められる傷病者又は行旅病人及行旅死亡人取扱法(明治32年法律第93号)第1条に規定する行旅病人であると認められる傷病者を搬送した場合は、消防長に報告するとともに、所轄の福祉事務所長に通報しなければならない。
(家族等への連絡)
第28条 隊長は、傷病者の傷病の状況により必要があるときは、当該傷病者の家族又は関係者に対して、傷病の程度、状況、搬送先医療機関等を連絡するよう努めるものとする。
第5章 救急資器材等
(救急資器材及び点検)
第29条 救急業務に必要な救急資器材は、別に定める。
2 隊員は、前項に規定する救急資器材について常に保守点検を行うとともに適正な管理に努めるものとする。
(消毒)
第30条 救急自動車及び資器材の消毒は、次の区分によつて行うものとする。
(1) 定期消毒 月1回
(2) 使用後消毒 適宜
(廃棄物の処理)
第31条 救急活動により生じた血液等の付着した廃棄物については、次の各号により行い適正に処理しなければならない。
(1) 廃棄物の適正な管理を行うために、管理責任者を決めておくこと。
(2) 感染性医療廃棄物は、他の廃棄物と区分して保管すること。
(3) 保管は極力短期間とすること。
(4) 廃棄物の処分は専門業者に委託する。
第6章 訓練及び普及啓発
(隊員の訓練)
第32条 署長は、隊員に対し、救急業務を行うにあたつて必要な知識及び技能の向上を図るため、教育訓練実施計画を作成し、隊員の教育訓練を実施しなければならない。
(市民等に対する普及啓発)
第33条 消防長は、市民等に対する応急手当の普及啓発活動を計画的に推進するよう努めるものとする。
2 前項の普及啓発活動については、別に定める応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱(平成9年新発田地域広域事務組合消防本部訓令第18号)により実施するものとする。
第7章 集団救急事故
(集団救急事故)
第34条 新発田地域広域事務組合消防本部警防規程(平成9年新発田地域広域事務組合消防本部訓令第4号)第45条に基づく集団救急事故の救急業務については、別に定める新発田地域広域事務組合消防本部集団救急災害活動実施要領(平成9年新発田地域広域事務組合消防本部訓令第17号)により対処するものとする。
第8章 報告等
(救急報告)
第35条 隊長は、救急業務を終了したときは、別に定める様式に基づき速やかに署長に報告しなければならない。
(救急即報)
第36条 署長は、次の各号のいずれかに該当する救急事故が発生したときは、別に定める様式に基づきその状況を消防長に即報しなければならない。
(1) 傷病者及び死者の合計が15人以上の事故
(2) 死者5人以上の事故
(3) その他社会的影響が高い事故
(1) 救急即報 即日
(2) 救急詳報 新潟県知事の定める日
2 火災による事故で、この報告と火災即報と同時に行う場合は、火災即報と重複する事項については省略することができる。
第9章 その他
(搬送証明等)
第38条 署長は、救急活動に関する証明を必要とする者から救急搬送証明願(別記第3号様式)が提出されたときは、その内容を確認して証明書を交付するものとする。
(証人出頭等)
第39条 署長は、救急業務に関し司法機関、捜査機関等から法令の規定に基づき、消防職員の出頭又は供述(以下「証人出頭等」という。)又は資料の提出を求められた場合は、消防長の承認を受けなければならない。
2 前項の規定により、証人出頭等に応じた職員は、当該内容に係る報告書を作成し、消防長に提出するものとする。ただし、軽易な照会等にあつては、口頭で報告することができる。
(その他)
第40条 この規程に定めるもののほか、救急業務に関し必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
1 この規程は、平成9年11月11日から施行する。
2 新発田地域広域事務組合消防本部救急業務に関する内規(昭和54年内規第1号)は廃止する。
附則(平成11年消本訓令第10号)
この規程は、公布の日から施行する。
附則(平成12年消本訓令第11号)
この規程は、公布の日から施行する。
附則(平成17年消本訓令第2号)
この規程は、平成17年4月1日から施行する。
附則(平成25年消本訓令第5号)
この規程は、平成25年4月1日から実施する。
附則(令和3年消本訓令第4号)
この規程は、令和3年4月1日から実施する。
別表(第18条関係)
感染症の類型 | 感染症名等 |
1類感染症 | ・感染症法第6条に規定する1類感染症 ・1類感染症の疑似症 ・1類感染症の無症状病原体保有 |
2類感染症 | ・感染症法第6条に規定する2類感染症 ・2類感染症の疑似症 (急性灰白髄炎、ジフテリアの疑似症を除く。) |
新感染症 | ・指定感染症の一部 (感染症法第21条が準用される感染症) |